ダブルタップ


ロー・チーリョン監督「ダブルタップ」。主演レスリー・チャン
射撃のプロであるリック(レスリー・チャン)は射撃大会に出場し、警察一の銃の名手であるミウ刑事と一騎打ちとなる。しかしその時ミウの同僚刑事が狂って競技場で銃を乱射、リックは彼を射殺する。人を撃つ感覚を味わってしまったリックには、それ以来殺人に対する快楽の心が宿ってしまい、苦悩しながらも彼は狂気の殺人者へと崩れていく・・。
レスリー・チャン、まさに迫真の演技。プロであり銃を神聖なものとして扱う身でありながら、人を撃つことに快楽を感じてしまった自分への苦悩、という複雑な内面を繊細に演じている。「銃というものが作られた目的は人を殺すためだということがわかってしまったんだ」というリックのセリフが彼の内的な変化をよく表している。それに対して「殺すのは銃じゃない、人だ」というミウ刑事の方は、レスリー・チャンの名演技の前にちょっとかすんでしまった印象。ラストの対決シーンは弾丸が軌跡を描いてビュンビュンと飛び交う。2000年の作品だからやっぱりマトリックスの影響なんだろうな。ちなみにダブルタップとは、リックが得意技としていた、2発の銃弾を連射して同じ位置に命中させる高度な射撃テクニックのこと。

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