シモーヌ

アンドリュー・ニコル監督「シモーヌ」。主演アル・パチーノ、レイチェル・ロバーツ。渋谷シネタワーにて。
映画監督のヴィクター・タランスキー(アル・パチーノ)は失敗作が続き、新作の主演女優ニコラ(ウィノナ・ライダー)に降板され、元妻でプロデューサーのエレインにもクビを言い渡される。そんな時、死期を前にした謎の男ハンクが、希望通りの女優を作るコンピューター・ソフトをタランスキーに残し、半年後彼は女優“シモーヌ”を作り上げる。シモーヌはたちまちフィーバーとなり、マスコミはその素性を探ろうとタランスキーを追い回す。彼は必死でシモーヌの秘密を守ろうとするが、その熱狂的な人気を彼は次第にコントロールできなくなっていき・・。
お気楽な映画かと思いきや、意外としっかりした出来で面白かった。シモーヌという人気女優を創り出したはずだった彼が、じつは逆にシモーヌによって人気監督にされていた、ということに気付くあたりの皮肉に、「トゥルーマン・ショー」をつくったアンドリュー・ニコル監督らしさがよく出てる。こういうのを描くのがうまいんだなぁ。ラストが素直に終わっちゃったから、もうひとひねりあってもよかったかも。
シモーヌが女優として出演しているタランスキー作品が、どれも緑の色調になってたのがマトリックスっぽくて印象に残った。バーチャル、って感じで。それからシモーヌ役のレイチェル・ロバーツの登場シーンはすべて、彼女を”CGっぽく見せるために”あえて目とかをCG加工しているらしい。(ちなみに声もいろんな女優の声を合わせてつくっているんだとか。)CG→人間を目指してつくられたシモーヌを表現するために、人間→CGに近づけるなんて、この関係がまた面白い。
あ、いちおう書いときますが、スタッフロールの後にオマケがあるのですぐに席を立たないほうがいいですよ。