フォーン・ブース


ジョエル・シューマカー監督「フォーン・ブース」。主演コリン・ファレル
ニューヨーク・タイムズスクエア。「自称」一流のパブリシストであるスチュ・シェパード(コリン・ファレル)は、いつものように電話ボックスに入る。電話の相手は売出し中の女優パメラ。仕事をエサに誘いをかけるがその態度はつれない。しぶしぶ電話を切りブースから出ようとしたそのとき、公衆電話のベルが鳴る。思わず電話に出てしまうスチュ。その耳に不気味な声が。『電話を切ったら殺す。』そしてゲームは始まった・・。
電話ボックスだけを舞台にしたこの作品、「シチュエーション・スリラー」というらしい。このテのやつは脚本のアイデア一発勝負なので、それが自分に合うかどうかなんだよね。で結論から言うと、自分にはちと合わなかったかな。コリン・ファレルはいい演技してるんだけどね・・・。犯人がライフルのスコープごしにスチュを狙うカットが時々入るんだけど、それのせいで主人公と犯人の対立構造の間に自分がポツンと置かれてしまって、主人公にイマイチ感情移入しきれなかった感じ。だから「どこから狙われてるかわからない恐怖感」が薄かった。もしヒッチコックがこれを監督したら、そういうカットを一切入れないで恐怖をかき立てたに違いない。もっと主人公の心の動きを描写すること一点のみに集中してほしかったな。犯人が出てくるラストも「あんた誰?」って感じだった。シチュエーション・スリラーだから、誰が犯人だとかいうことは重要でないそうなんだけど、なんかしっくりこなかったな〜。

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