商品の『期待値』とのギャップが書き込みを増やす

日経ネットより
http://it.nikkei.co.jp/internet/column/literacy.aspx?i=20050810bi000bi

ユーザーは何を伝えているのだろうか。

 この6年近くユーザーの「クチコミ」と接してきて、ユーザーの書いている内容は「対象商品の評価」ではなく、「『期待値』とのギャップ」だと実感している。

化粧品のクチコミも同じように、商品の絶対的商品力を評価しているのではなく、商品力はもちろん価格や店頭・評判等で形成された自分の「期待値』と比較している。比較した結果、満足したかどうかを「評価」として書くことが格段に多い。

 ユーザーの多くはプロのように比較できるほどたくさんの商品を客観的に使用できるわけではない。その場合彼らが比較するのは、自分の持っている商品への『期待値』である。そこで生まれる『期待値』とのギャップ」がユーザーのいうクチコミなのである。

■「何を伝えるのか」ではなく「誰が伝えているのか」

クチコミを簡単に見つけられる今は、単に「クチコミを見つける」だけではなく、「『自分と近い人』のクチコミを見つける」動きを見せ始めている。

 よく商品選択の際に、「友人・知人の意見を参考にする」とあるが、友人・知人ならだれでもよいわけではない。友人であれば価値観や生活環境が近い確率が高く、その中でも自分が参考にするべき人を無意識に選んでいる。同じ趣味・嗜好を持っているのであれば、より自分に近い人と出会える確率が高くなる。化粧品のように肌質や年齢の条件が違えば効果も違うという場合は、自分に価値観が近い人が集うインターネットコミュニティーに参加し、そこに集まる意見を参考にするのだ。