天空の蜂


東野圭吾著「天空の蜂」読了。
自衛隊で開発中のヘリコプターが何者かによって無線操縦で奪われてしまう。そのヘリの行き先はなんと原子力発電所の真上。しかもヘリには子供が閉じ込められている。このままでは墜落して大惨事の可能性も。犯人の狙いとは一体・・!?
東野圭吾は作品ごとに新しい試みをしているのが面白い。本作では長編のテロリストものにチャレンジしているが、このテの話は真保裕一が得意としているところ。なにか意識してる部分があるのかな。(と思ったらなんと後ろの解説を真保裕一が書いている。出版社の人も同じことを思ったのか)
話としてはご都合主義的なところが目について、いまいちリアリティがないなぁ、というのが率直な感想。ありがちなアクション映画を観てるよう。予想どおりに展開して予想どおりの結末だった。なんといっても真保裕一と違うのはヒーローとなる主役の存在。真保裕一作品は必ず主役と呼べる人物がいて、彼に感情移入することで緊迫感を味わうことができるのだが、本作は主役と呼べる人物がおらず、ヘリの製作者・犯人・警察・原子力発電所の職員と、いろんな登場人物に立場を変えながら話が進むので、誰に感情移入してよいのかわからず、イマイチのめり込みにくかった。

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