ストロボ


真保裕一著「ストロボ」読了。
プロのカメラマンとして成功を収めた喜多川。理想を求めていた若いころの考えも、いつしか妥協と安定に流されてしまった。そんな彼が50代から20代までの、人生の転機となった場面を振り返っていく。
これはよかった。電車で読んでて何度となく目頭が熱くなってしまった。大切な人との出会いと別れの場面というのは、ついつい自分の経験と重ね合わせて読んでしまうものだ。時系列を若いほうへ逆にたどっていくという手法もうまい。まるで昔のアルバムを開くような、カメラのフィルムを巻き戻すような、そんな感じだった。

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